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コラム |2013.12.10

親子の会話が子どもの進路に影響?

キャリア教育の充実は学習意欲の向上にもつながるという国立教育政策研究所の調査結果がありました。

今回は、同じ調査から親子の関わりが子どもの意識や能力にどう関係しているのかを見てみましょう。というのも、小学生の時の親子の会話が子どもの「基礎的・汎用的能力」に影響を及ぼすということがわかったからです。


【出展】Benesse 教育情報サイト、筆者:斎藤剛史

文部科学省は、キャリア教育によって育成すべき能力として

(1)人間関係形成・社会形成能力

(2)自己理解・自己管理能力

(3)課題対応能力

(4)キャリアプランニング能力

……の4種類を挙げ、これらを社会で生きるために必要な「基礎的・汎用的能力」と 総称しています。

調査によると、小学生とその保護者を対象にした項目で、将来の生き方や進路について「話し合っている」(「よく話し合っている」「ときど き話し合っている」)という家庭の子どもと、「話し合っていない」(「あまり話し合っていない」「ほとんど話し合っていない」)という家庭の子どもを比較 すると、「将来のあこがれの職業や役割をもち、それをかなえる方法について考えている」のは、話し合っている家庭の子どもが51.4%、話し合っていない 家庭の子どもが46.1%、「調べたいことや知りたいことがある時、進んで資料や情報を集めたり人にたずねたりしている」というのは各37.6%、 33.5%などとなっています。

また、親子の会話の内容として「今後、家庭や学校でみんなと生活するうえで大切な心構えなど」について話し合っているかどうかで違いを見ると、「自分の考 えや気持ちを、相手にわかりやすく伝えようと気をつけている」と回答したのは、話し合っている家庭の子どもで54.8%、話し合っていない家庭の子どもで 48.4%、「友だちや家の人の意見を聞く時は、その人の考えや気持ちをわかろうと気をつけている」が各45.0%、38.3%、「将来のあこがれの職業 や役割をもち、それをかなえる方法について考えている」が各52.3%、46.9%などでした。この他、「大学など上級学校のことや様々な職業のこと」 「保護者ご自身の歩んできた人生やそこから得た教訓」「将来に向けた勉強の大切さ」「お子さんが憧れている将来の職業」「今日の社会で起きている様々な問 題」の5項目の会話内容でも同様の傾向が見られました。
ただし、子どもの意識は多様であり、この話題で会話をすればよいという「判別を行うことは適切ではない」と同研究所は注意しています。どうやら親子で会話すれば、子どもの能力が上がるという単純な話ではないようです。


しかし、少なくとも「今後、家庭や学校でみんなと生活するうえで大切な心構えなど」については、「親子で話すことによって児童の意識を高め、基礎的・汎用 的能力を高める可能性が示唆された」と分析しています。家庭や学校での生活の心構えを親子で真剣に話し合うことが、子どもの人間関係形成・社会形成能力や 課題対応能力などを高めることにつながることは間違いないようです。


~社団よりコメント~

核家族化が進んだ近年、子ども達が年長者と接する機会が激減しています。

結果的に、大人を見て学べない、年長者とのコミュニケーションが取れない(取り方が分からない)

というような事態になっており、大卒者が就職できない理由の上位に上っています。

まずは身近な親子の会話を増やし、将来への期待や不安を語れる時間を持つことで

人間力を高めていくことが必須だと考えます。